残された隆二。

「車、車庫に入れなさい。
駐禁とられるぞ」

そう言い、清美の後についていく隆二。
そして残された二人。

「と、とりあえず…」

そう言うと、あわてて車を車庫に入れ戻ってくる彼と一緒にリビングへ。

「ありあわせだけど…どうぞ」

「あ…」

躊躇している彼。

「ほら、母さんの飯はうまいから食べなさい」

隆二に言われ…流されるまま座る彼。

「お父さんがそんなに見つめてると食べれないでしょっ
はい、お父さんも食べて。
佳奈、先生にビール…あ、運転だから駄目ね。
お茶いれてあげなさい」

そう言われキッチンに向かう佳奈。
その間、心配でリビングのほうばかり見ていると…

「大丈夫。
お父さん、覚えてたわよ。
ほら、夏の協技会の時だったかしら?
先生に送ってもらったでしょ?
あれからなんとなく…ね。
そしたら、玄関に立ってるじゃない?
お父さんもビンゴだっ!って言ってたわ」

なんとも肩透かしな両親なのだろうか…と思う佳奈。
リビングに戻ってみれば…