先生のビー玉

「で、メールのやり取り?」

佳奈が聞くと、頷きながら

「まぁ、そんなところ」

「ちょっと前進ってな感じ?」

貴子の問いに頷く恭子。

「佳奈が羨ましい」

恭子が頬杖をつく。

「私もまさかこうなるって思ってもみなかったから…驚いてる」

佳奈の答えに大きく頷く二人。

「でも、あいつもわかりやすかったよ」

貴子が言うと、大声で笑い出す恭子。

「そ、そんなに?」

佳奈が言うと、

「年上の男でもあんなにわかりやすいんか?って思ったもんね」

恭子が言うと、笑う貴子。

「誰だったっけ?あの他校の男が来た時なんか…ねぇ、恭子」

貴子が言うと、

「そうそう!血相変えてたもんね」

恭子が笑う。

「私はその時、パソコン室で必死だった」

うなだれる佳奈。

「でもあれがなきゃ、あいつも佳奈に気持ち伝えてなかったはず」

貴子が言うと、恭子も賛同する。