先生のビー玉

「いらっしゃ…お、久しぶり」

カウンターからマスターが手をあげる。

ここは、貴子の叔父がやっている店でよく3人でやってくるのである。

忙しい時は手伝いと称してバイトをさせられるのだが…

「お腹すいちゃったよ」

「何にしようかな…」

「私パスタ!」

「私も」

「う~ん…私は…オムライス大盛りで」

佳奈と恭子はランチのパスタ。

貴子は…意に反してオムライスだ。

「ったく…手のかかるやつだ」

叔父の哲夫がブツブツと言いつつ厨房に入った。

「あ、飲み物は勝手に飲め」

「サンキュ」

哲夫が厨房から顔を出してそう言うと、貴子が3人分のコーヒーを煎れてやってきた。

「さすが」

恭子が美味しそうにコーヒーを飲む。

「空きっ腹にコーヒーは体に悪い」

貴子が言うと、

「じゃ飲むな!」

と厨房からまたもや顔を出して哲夫。

ヤバイと舌を出す貴子。