先生のビー玉

しばらくし、貴子からメールがくる。

「あ、じゃ行きますね」

佳奈が言って立ち上がる。

「たくさん食えよ」

と言い、片手をあげる。

「そんなに食べませんっ」

笑いながら言い、準備室を出ようとする佳奈。


と、その時、


「忘れ物」

「え?」

彼の声かけに振り替える佳奈。
と、何かが飛んできた。
受け取り、手のひらを開く。

驚く佳奈。
そして、彼を見る。

「こ、これ…」

「失くすなよ」

状況を把握していないのか、佳奈がコクリと頷く。
そんな彼女を見て…

「時間があるときはいつでもおいで」

大きく頷く。

「ほら、神田が腹をすかせて待ってるぞ。
仕事が終わったら電話する」

「は、はいっ」

そう言い、佳奈は準備室を出て行った。