今頃彼女は、図書室で報告をしているのだろう。
だが、さっさと終わらせて彼女と一緒にいたいのは…当然のことだ。

ササッと机を片付けると、彼女のプレゼントと鞄を持ち立ち上がる。
すると、

「俺も帰ります」

彼が段ボールを持ちやってきた。
何も言わず歩く俺たち。

ちょうど裏門を出た時のことだった。

「先生は、ちゃんと戸田のことを考えて起こした行動なんですよね」

その問いに驚いた俺は、彼をみた。
当然、真剣な眼差しだ。

「当然です。
こんなこと、無責任には言えないですよ」

そう答えると、

「それなら安心です。
そうですよね。
田村先生がそんな無責任な人じゃないことくらいわかってるんですけどね。
やっぱり、教え子なんで…」

そう答える彼に、

「本当は、卒業と同時に言うつもりだったんです。
…でも…無理でした。
無責任と言われても仕方ないです」

そう答えた。
それが素直な答えだったからだ。
すると、

「でも…恋愛ってそんなものなんじゃないかなって思うんですよ
たまたまそれが教師と生徒だったってことなんですよね。

でも…

戸田もやっかいな相手を彼氏にしてしまいましたね」

と笑う。