先生のビー玉

彼が佳奈を見る。

「あ、えっと…いや…」

どうフォローしていいのかわからない。
すると、

「戸田、コピー終わってる」

コピー機を指さす彼。

「えっ?あっ、はい」

あわてて取り出す佳奈。
次の原本を渡される。
コピーを始める佳奈。


その間…


沈黙が続いた。


ただ救われたのは、ずっと何かをしていたからだ。

そして、どのくらい時間が過ぎただろうか…


「戸田、手伝ってくれてありがとうな」


彼が言った。
どうやらすべての作業が終了したようだ。

「これ、どうされますか?」

コピーの山を指さし彼に聞くと、

「あぁ、そのままにしておいてくれるか?
明日、ここで作業をするから」

「先生方は明日も仕事なんですね」

佳奈が言うと、

「そうそう、万年平社員はいつでも仕事です」

彼の一言に笑う佳奈。
すると…

「何かあったのか?」

彼が言った。