先生のビー玉

午後の競技が始まり、3年生の荒城の月の舞が始まる。

それに合わせたように見回りを始める。
体育館へ移動した彼女に、またあいつが声でもかけたらめんどくさい。

遅れて入った彼女と神田。

まずは神田が出てきた。
が…彼女はまだ出てこない。

まぁ、神田はせっかちだからな。
なんて思っていると、彼女がやってきた。

良かった、間に合うな…

なんて思い、奴がいないか確認して彼女を見た。

ん?
どうかしたのか?

足の裏を見、顔をしかめているようだ…

そしてまた歩き始めたのだが…どうも様子がおかしい。
走って彼女のところへ行く。

どうやらガラスの破片を踏んだらしく怪我をしている。

ところが、そのまま歩いたせいで傷口に砂が入り込んでいる。

治療をしろと言っても聞かないだろう。
彼女の性格だ。

なにやら言っていたが、そのまま担いで救護係へ運んでいる自分がいた。

「センセッ」

バタバタと暴れている彼女だったが、こんなに軽いんだ。
簡単には降ろさない。

「まるで王子さまね」

あの戸高先生がニヤニヤと笑っていたが、彼女の傷口をみたとたん、彼女に怒鳴りつけていた。

治療を終え、集合場所に戻って行く彼女を見ていると、

「衝動的な行動をするのね、田村先生って」

戸高先生がそう言う。
言われて初めて自分のやったことの恥ずかしさに気付く。

「あ…」

「…っていうか、ちゃんと考えて行動すべき!」

背中を思いきり叩かれてしまった。


またもや自己嫌悪…