先生のビー玉

しばらくは注意しておこう。

それからしばらく見回り、気付けば午前中最後の競技になっている。

「見る暇もないな」

なんて呟きながら本部席へ戻る。
昼食を終え、入力を終えたかどうかチェックしようとパソコンを覗く…

「なんだ?これは?
俺の言ったこと、ちゃんとやったのか?」

ちょうど戻ってきていた係の生徒に言うと…

「すみません…」

なんて恐縮している。

案の定だ…
指定した所だけ入力したつもりなのだろうが…
幾箇所かおかしなことになっている。

「どうしてこんなことになるんだ?」

呆れかえった俺は、その時ふとひらめいた。
救護係のところに彼女がいるのに気付いたのだ。

「戸田っ」

彼女を呼び、助っ人を頼んだ。
快く引き受けてくれる彼女。
あっという間に修正し、プリントすることができたのだ。

「お前に頼んで良かったよ。
助かった」

自然と出た言葉だった。
神田と一之瀬がなにやらおかしな態度を取っていたが…
今さら隠したって仕方がない。

こいつらにはバレちまってるんだから。