そして体育大会当日。

「やっぱり…」

思わず呟いてしまった。
普通科の生徒ばかりの集計係は…ほとんど進んでいない。
おまけに見回りになったばかりに、係の方をチェックすることもままならない。

「こことここに点数を入力。
他は絶対に触るなよ、いいな」

そう言うと、他校生徒が来ていないか見回る。
女子高ともあり、いるのだ…ろくでもない奴らが。

まぁ、彼女の体育大会を見たいっていう生徒もいるだろうが…
言語道断だ。

担当の先生と手分けして見回っていると…
うちの生徒と話している男子生徒がいる。

良く見ると…

「またあいつっ」

滝川孝司が来ているではないか。

「こらっ、何やってる」

うちの生徒に声をかけると、

「佳奈ちゃんに会いに来たんですよ」

なんてヌケヌケと言いやがる。

「お前は戻ってろ」

うちの生徒に言うと、あわてて運動場へ走って行った。
残ったのは…彼の友人数人だ。

「別に良いじゃないですか。
見に来ただけですよ」

なんて言うこいつ。

「うちの生徒に声をかけるのなら…帰れ」

そう言うと、

「うちの生徒じゃなくて佳奈ちゃんでしょ」

そう言い、挑戦的な態度を見せる奴。

「ガキは黙って帰れ。
あんまりしつこいと、学校に通報するからな」

そう言うと、彼たちは渋々どこかへ行ってしまったようだ。
だが、安心はできない。
ガキの考えることは…てんで分からない。