先生のビー玉

「えっと…」

モジモジしていると…

「じゃ、一緒に後片付けするか?」

そう言われ、

「いや、見てきますっ」

そう言い、テントを出く佳奈だった。
そんな後姿を見…

「初々しいねぇ…」

なんて呟く彼女だった。

「えっと…先生は…3区か」

グランドで彼が待機している場所を確認して丁度見えそうな場所に立つ。
決して一番前には立たずに後ろのほうに。

しばらくしてリレーが始まった。
あっという間に2区にバトンが渡った。

じっと待機している彼を見つめる。

「先生、頑張れっ」

呟く佳奈。
彼にバトンが渡った。
思わず背伸びして彼を追う。

一瞬、彼がこっちを見たような気がした。

「がんばれっ」

呟くように言う。
彼を目で追う。

「先生、早い」

相手は女子生徒。
1位で4区の教師にバトンを渡した。

「すごい!すごい!」

後ろでとび跳ねながら興奮する佳奈。
結局、教師チームが1位で、貴子のいるチームが2位だった。