先生のビー玉

「あんたさ、何様のつもりよ。
佳奈になんの非があるってぇの?
自らガラスを踏む奴がいる?
そんなバカいるかな?
っていうかさ、よくそんな解釈ができるよね?
あんた、ちゃんと耳付いてんでしょ?
おまけに、頭悪くないんでしょ?
だったら、ちゃんとその頭で理解しなさいよ。

大体さ、人に部活に行くな、職員室に行くなだの…
あんたはそんなに偉いの?
人の行動に口出す暇があるんならさ、他にやることあるでしょ?
佳奈は、もう就職先決まってんの。
だから、部活に行こうがどうしようが勝手でしょ?

あんたはまだ進学先も合格してないんでしょ?
だったらさ、勉強しなさいよ、勉強。

職員室で媚び売ってる暇があったらさ。

ったく…会長だったんだか何だかわかんないけどさ、
それは過去でしょ?

そんなに偉いの?

私から見れば…ただの会長だよ」

すごい剣幕だった。
さすがの絵里も…顔がひきつりまくっている。

それを見ていた佳奈は、

「貴子…言いすぎ」

ボソッと呟いた。

「言い過ぎなんかじゃないわよ。
人の行動に口出す暇があったら、自分の事を考えろって言ってんの。
バカみたい。
ほら、行くよ」

そう言い、二人を促し、運動場へ向かった。

「貴子、かっこいいわ」

恭子が背中を押す。

「ん?私は言いたいことを言っただけ。
間違ってる?」

二人に問う。
二人とも…
左右に首を振った。
満足そうに頷くと…
救護室のあるテントへ向かった。