先生のビー玉

「あら、衝撃的な登場ね」

孝枝が笑って言っている。
彼が事情を話すと…

「あのね、すぐ治療しないと、バイ菌がはいって破傷風になるのよっ」

そう言われ、治療を始める彼女。

「痛い…痛いですっ」

砂利を取り除かれている間、佳奈が叫ぶ。

「こんな状態で歩いたのが悪いっ」

「すみません…」

「まぁ、仕方ないわね。
次終わったらまた来なさい」

そう言われ、治療が終わるとそのまま入場門に待機している貴子の隣に座った。

「連れ去られるかと思ったわ。
どうかしたの?」

貴子が言う。
破片の話をすると、

「あいつ、よく佳奈の事見てるよね」

恭子がそう言ってきた。

「んなわけないでしょっ」

佳奈が言うと、

「まんざらでもないわよ」

貴子もそう言いだした。
結局、二人の言っていることはすべて無視し、舞いを舞った。
途中、やっぱり足は痛かったが…
やはり伝統の舞だ。
少々痛いもの我慢だ。

なんて思いつつそれを終えた。