先生のビー玉

が…

「イタッ」

運動場と体育館の間にある道路に出た瞬間、足の裏に痛みが走った。
競技中は靴をはくのだが、この舞いの時だけは裸足なのだ。

足の裏を見ると…
どうやらガラスの破片を踏んだらしい。
にじむ血。
でも、早く行かなければならない。

「う…くっ」

パッとその破片を取る。
あまり大きい破片ではなかったが、かなり痛い。

だが、そのまま集合場所に向かった。

とその時、

「戸田?足…どうかしたのか?」

彼が後ろから話しかけてきた。

「ガラスの破片踏んじゃいました」

「ちょっと見せてみろ…おい、傷口に砂が入ってるぞ」

「大丈夫です。
後で治療します…えっ、せ、先生っ」

フワッと体が宙に浮いた。


…のではなく…彼に担がれているのだ。


「大丈夫なわけないだろ?
さっさと治療してもらえ。
まだ次までには時間はある」

救護係のところへ走る彼。
周りの生徒がこっちを見ている。