先生のビー玉

その休憩時間。
恭子は、そのままの流れで救護室にやってきている。

「ここ、日陰だからうらやましいわぁ~」

とくつろいでいる。

「悔しかったら、体育委員になりなさい」

と貴子。
とその時である。

「おい、午前中の集計はまだできてないのか?」

彼がテント内に入って係の生徒に怒鳴っている。
ふと目線がそっちに行く3人。

「役に立ちそうな生徒はいない…」

あの時言っていた言葉がよぎる。
良く見れば…
商業科の生徒ではなく、普通科の生徒のようだ。
きっと、パソコンを使い慣れていない生徒なのだろう。

「集計できてないんだって…大変だ」

恭子が呟く。
頷く二人。

「入力できてないのかな?」

佳奈が呟く。

「そうかもね…」

貴子が頷く。
あたふたとしている生徒たち。
とその時である。

「戸田!」

どこからか佳奈を呼ぶ声が聞こえてきた。
どこから…

パッとこっちを向くその声の主…

思わず恭子が貴子をツツク。
状況がつかめていない佳奈。