それから2週間が過ぎ、体育大会当日となった。
入場行進を終え、貴子と佳奈はテント内に待機する。

ひっきりなしにやってくる生徒たち。

「こけちゃった」

「絆創膏ちょうだい」

などなど…

「ここ…暇つぶし?」

貴子が孝枝に質問する。

「まぁね。
でも、どんな生徒が来るかわからないからね」

そう言われ、ぼーっと二人で競技を見ている。
すると…
彼が見回りをしているのが目に入った。

目で追う彼の姿。
すると…彼に駆け寄る生徒が一人。


絵里だ。


彼にピタッとくっつくようにして歩いている。
彼の表情は…こちらからは分からない。


思わず目を反らす佳奈だった。