文化祭が終わり、クラスで後片付けを済ませ、またパソコン室に向かった。

中に入ったが…
誰もいない。

「鍵は開いてるのに…誰もいない。
ま、片付けしてれば先生も来るか」

佳奈はそう言い、後片付けを始める。
しばらくすると、準備室のほうで音がした。
パッと振り返ると、彼がこっちに気づいたようだ。

ソフトなどをまとめ、準備室に入る。

「先生、これここに置いときますよ」

そう言うと、

「後片付けはお前だけか?」

と苦笑いする彼。

「みんな忙しいんですよ。
私は後片付けを済ませてきたから大丈夫です。
他にすることはありますか?」

そう聞くと、

「じゃぁ…
とはいうものの…別にすることはないな。
今日も神田待ちか?」

大きくうなづく佳奈。
すると…

「じゃ、ココで待ってろ。
っていうか、さっきの食いもん…残ってるか?」

「は?あぁ、残ってますよ」

佳奈は、鞄の中からいろんなものを取りだす。

「お腹すいてるんですか?」

「すいてる…これ、全部食うぞ」

そう言いつつ食べ始める彼。
それが、彼のてれ隠しだったということは…当然のことながら佳奈は知る由もなかった。