先生のビー玉

何も答えなかったのが気に入らなかったのか…
次の日は、問題を解くとやってきた。

いつも通り、戸田に仕事をさせていると…

「部長は私よ」

と聞こえるか聞こえないかの声が聞こえてきた。
一瞬耳を疑ったが…
間違いない。
安藤が言ったのだ。

初めは信じられなかった。
でも、彼女もパーフェクトではないという点では安心したが…
だが…安藤は驚いていたようだが、

「誰でもいいよ持ってくるのは」

ちょっと冷たく言ったのが仇になったのか…
競技会にでる生徒から外したのが気に食わなかったのか…

どうも俺にではなく、矛先が戸田に向かってしまったらしい。

ある日の事。
養護教諭の有川先生に呼ばれた。
彼女に聞いた話は…あまりにも衝撃的だった。

「本当ですか？それは」

「信じられないでしょうけど、本人から聞いた話です。
ウソを言うような子じゃないですし、神田の友人ですから私は信じます」

という彼女の表情からして本当らしい。
女は怖いという感情と、どうにかして戸田を守ってやらなければならないという気持ちがいつの間にか生まれてきたのもこのころだった。