先生のビー玉

「何だったんだろうなぁ」

ひと段落つき、彼が呟いた。

「ですよね…」

と佳奈。

「でも悪かったな。
クラスは大丈夫だったのか?」

「大丈夫です。
貴子と恭子、二人と同じグループだったんです。
それで行けって言われて…
あ、すみません電話だ。
もしもし…
え?滝川…?あぁ、あのK学園の?」

佳奈の口から孝司の名字が出た。
と、それまで由梨たちの働きぶりを見ていた彼、パッと佳奈を見る。

「うん、え?来てるの?
私を探してる?
そんなの困るよ…」

佳奈、困っている様子だ。

「ココに来てる?」

ボソッと呟く彼。

「え?ずっとここにいろって?
今はそんなこと言ってる場合じゃないと思うけど…
うん、分かった」

そう言い、電話を切った。
彼の視線を感じ、彼を見た。

「どうかしたのか?」

彼が言う。

「K学園の滝川君が来てて、私を探してるらしくて…」

困っている様子だ。