風が吹く中で

俺は動けなかった


襖の向こうには正座した由岐。部屋の中の荷物はバックに詰めてまとめられていた


「お話しがあります」


少し潤んだ瞳に俺は目を離すことが出来なかった


「もう直ぐ卒業です。だから…私は家に…帰ります。今までありがとうございました…」