ラブリーホーム*先生の青③





嫌がる私のおでこや頬に
先生はキスをする



「好きだよ、イチ」


「……だったら、なんで?
なんで昨日カナさんのところに行ったの?

私よりカナさんの方が
いろいろ話しやすいんでしょ

私よりカナさんの方が
先生の悩みを
理解できるんでしょ」



「違うよ、イチ。
確かにカナは何でも知ってるさ
オレたち幼なじみだから。

でも、それと愛情は別物だよ。

イチはオレの奥さんだから
言いたくない事
知られたくない事あるもん。

カナに対しては
何の感情もないから
気楽に愚痴れるんだよ」



「……何それ。理解できない
私たち夫婦でしょう?
何でも一番に分かり合えなきゃ
ダメなんじゃないの?」



先生は困ったように笑い
私の前髪を
かき上げるように撫でて


「それはそうだけどさ。
イチにだってあるはずだよ。
オレにだから
知られたくない事も」



………なんかズルい。
先生は自分の間違いを
正当化しようとしてる。



「まあ、でも
イチに不愉快な思いを
たくさんさせたからな。
謝るよ、ごめんなさい」


「……ちゃんと分かってんの?
なんで私がイヤな思いになって
先生を嫌いになったか
分かって謝ってんの?」



「分かったよ。
これからは一番にイチに話す。
もう隠し事はしないし
カナに愚痴ったりもしないよ。

イチにたっぷり愚痴ります」



なぁんか スッキリしない
うまく かわされてる気がする


ムゥ~っとにらむと
先生はニッと笑った



………この笑顔が
一番 信用ならない気がする