…………隠し子?



「隠し子って何………」



目を開き、顔を上げる
だけど先生は



「……ぎぼぢわ゛る゛い…」



いきなり顔色が悪くなり
バッと口を両手で押さえた



「わわわ、ちょ、ちょ、ちょ
ちょっと待って先生」


「う゛ぅっ……」







口を両手で押さえた先生を
また引きずるように
トイレまで連れて行き




「ぎぼち悪いのに
吐けないーっ」



わめく先生の口に
指を突っ込み吐かせ



便座に手をつき
パンツ一枚で
おぇ、おぇ してる背中を
さすりながら



お義父さんの隠し子を
預かりたいってなんだろう?


でも、だけど


………なんで
こんなになるまで
飲むかな?



大切な話がある時に
なんで
カナさんのところに行くの?




裸の背中をさすってると
ベチッて
張り手を食らわせたい
衝動が湧く



………なんか訳わかんない



「……先生、大丈夫?」



いろんな気持ちが
私の胸の中、渦巻くけど
その中に温かいモノや
優しいモノなんて
含まれてないのに



「大丈夫?」なんて
先生の背中をさすってる
自分が1番 訳わかんない




……きっと私より先に
カナさんに相談したんだ



……どうして今日
真っ直ぐ帰って来て
くれなかったんだろう



真っ直ぐ帰って来て
くれなかったのに


どうして私に
背中なんかさすらせるんだろう