病室に入ると
4人部屋の一番奥の
左側にお義父さんはいた
ベッドに上半身を起こしてた
お義父さんは
すぐ私たちに気付いて
「おお、泉!来てくれたのか」
パパはお義父さんの
ベッドの横に立ち
「元気そうで何より」
お義父さんはパパの後ろの
私と青波に視線を移して
「市花ちゃんも青波くんも
来てくれたのかぁ
ほれ、青波くん
ジィジのところにおいで~」
私は
ご無沙汰してすみませんとか
お加減はいかがですかとか
いつもお世話になりっぱなしで
すみませんとか
挨拶をグダグダ考えて
いたんだけど
お義父さんが青波に手を伸ばし
ベッドの上の
自分のひざに乗せたから
「青波、靴、靴」って
慌てて脱がして
小さな靴を持ったら
挨拶するタイミングを
完璧に逃した
お義父さんは
ひざに乗せた青波を
ニンマリ笑い見て
「青波くんはプクプクだねぇ
小さな頃の泉にソックリだぁ」
目尻を下げるお義父さんを
無表情で見つめる
パパは明らかに不機嫌だ
お義父さんは こんなに
元気そうで
青波を可愛がって
くれるのに……



