ラブリーホーム*先生の青③






「あーあ、落ちたイチゴ
食べちゃったよ
先生のせいだからね」


イチゴを食べた
青波を見ながら
イチはため息をついた


「なに言ってんだよ
お前がいつまでも
ねちっこく怒ってるから……」



「ねちっこく~?」


「そーだろ?
いい加減にしろよな
そもそもオレは
浮気なんてしてないのに」



じとーっと
イチはオレをにらんでから
立ち上がり



流しでバシャバシャ
顔を洗ってから
おしぼりを持ってきて
青波の顔と手を拭いた




「なあ、もう、いいよな?
普通に戻ってくれるだろ?」




イチは何も言わず
青波の手を拭き終わったら
テーブルの上を片付け始めた




なんだよ
また無視かい



「……なあ、イチ……」
「じゅうたん
先生が拭いてね」



無表情で言うイチから
お許しを得られたのかは
よく わからない





ぞうきんでゴシゴシ
ケーキで汚れたところを
こすりながら



キッチンで洗い物するイチに



「なあ!もう、いいだろ?
お前だって本当は
わかってんだよな?
オレが浮気なんかしないって」




しばらくイチの背中を見て
返事を待つけど
聞こえてくるのは
水の音だけ



…………チッと
心の中で舌打ちし
またじゅうたんに視線を落とす




そんなオレの隣で
青波は鍋の中
必死におたまを回し
遊んでる



………もう綺麗になったな



ぞうきんを持って
立ち上がると



「動物園」



「え?」



イチがオレを振り返り
少しすねた表情で言った


「次のお休み
3人で動物園に行きたい」


なんだ、あんなに
怒ってたクセに
動物園かよ
少し拍子抜け


「………いいよ
行こう、動物園」


笑って答えると
すねた表情のまま
イチはまたそっぽを向いた