それっきり
先生はテレビに視線を向け
何も言わなかった
何ができる?
考えても
そう簡単に答えは出ない
いつになく
悔しそうな顔をする先生の手に指を絡めて握りしめ
肩に頭を乗せ寄り添った
いつもなら
嬉しそうに顔を緩めるけど
今日は固い表情のまま
ピクリともしない
「………答えなんかないよ
きっと、
正解なんてないよ、先生」
触れる腕
握りしめた手
目を閉じれば温かくなる
「そんな……ちっちぇこと
気にしてたら生きていけねぇよ先生」
いつも、私に言って
先生はニッと笑い
励ましてくれた
先生はヒーローじゃない
悩める人類全ては救えない
私みたいに
先生の一言が
響く者もいれば
響かない者もいるでしょう
兄弟ごっこでも
先生が本当に郁弥くんを
可愛く想ってること
私は分かるよ
「結果ばかり求めるなんてね
欲張りなんだよ
先生も私も青波も
郁弥くんが好き
それで充分じゃない?
それ以上なんてないじゃない
私は、
もう自分の子供にしたいくらい
郁弥くんが好きだよ」
………ギュウッ……
爪が白くなるほど
先生は私の手を握りしめて
「うん」って小さくうなずいた



