ラブリーホーム*先生の青③





「……考えても仕方ない事ってなに?」


先生は、眉を寄せて
しばらく黙りこんだ
その間テレビから
笑い声が響いた



「無責任な事をした親父の元で
育った息子なんだなって」



「……………」


なんて言ったらいいのか
わからなかった


確かに考えても仕方ない事だ
だけど…………


「今日の見舞い、
気まずかったよ

川口さんからしたら
オレなんて、忌々しい存在だろ
恋人には絶対
紹介したくない……」



お父さんの元で育った先生と
隠し子として
育ってきた郁弥くん


難しい間柄だ



「いくら想っても
兄弟ごっこにしか
過ぎないんだよな

郁弥だって、オレに
心は開いてくれないし

短い間で何ができる?

オレが郁弥の母親に
もっと気にかけてくれなんて
言えた義理じゃない

退院したら……
もう二度と
関わりたくないだろう
自分の新しい幸せのためにな

オレが郁弥に近づく事は
郁弥の母親にとって
マイナスになるんじゃないか?」



ため息ついて先生は
テーブルの缶ビールに
手を伸ばした



「いろいろ考えて
答えが出なくて
行き着く先は

本当に無責任な事をした
親父が憎いよ」