"悪い人――"
継母が未来に言った言葉。
私は、この家では家族じゃなく悪い人なんだ……。
そう思うと悔しくて悲しくて……。
目に涙が溜まり、ポタポタと目から涙がこぼれていった。
「何?何の用かしら?」
継母が睨むように私を見て言った。
"何で帰って来たの?"
"ここは、あんたの家じゃないのよ"
"あんたがいるとイライラする"
まるでそう言われてるみたいだった。
涙が止まらない。
次から次へと、あふれては流れ落ちる涙。
やっぱりこの家には私の居場所はないんだ……。
ここにいたら光りのある場所へは行けないんだ……。
もう……私は……この家の人間ではないんだ……。
私は悪い人なんだ……。
私は、手の甲で涙を拭いて、リビングを出て、自分の部屋に行った。



