「うゎっ!」 私の家の前に来た時、咲哉さんが驚いたような声を出した。 私は咲哉さんの腕を掴んだ。 拒否反応を起こしたように、体が少し震えてる。 「穂乃ちゃん……ここで待ってるから……。嫌だったら逃げておいで。なっ?」 咲哉さんは私の体をギュッと抱きしめた。 私は小さく頷いて、咲哉さんから離れた。 大丈夫……。 大丈夫だよね。 私には咲哉さんがいる。 だから大丈夫……。 そう自分に言い聞かせながら門の中に入った。