マンションに帰って来た。
リビングのソファーに並んで座る。
なぜか、お互い無言のまま……。
咲哉さんはリビングのテーブルを見つめたまま黙っていた。
「穂乃ちゃん……あのさ……」
咲哉さんが私の方を見てそう言った。
「いやっ!」
咲哉さんの言葉を遮るように叫んだ。
わかっていた。
咲哉さんが黙った理由。
何を考えていたのかを……。
家を2日も空けてる私のこと。
多分、咲哉さんは私を家に帰らそうとしてる。
私は咲哉さんの腕を掴んだ。
「穂乃ちゃん?」
「いや……帰りたくない……」
咲哉さんの腕を掴み、俯いて首を左右に振りながら泣くように訴えた。
あの家には帰りたくないの……。
だから……お願い……。
「わかった……」
咲哉さんは私の背中を擦りながら言った。
「咲哉さん……」
私は顔を上げて、咲哉さんを見た。