手話教室は閑静な住宅街の中にあった。
洋風な作りの家。
私が手話教室に着いたと同時に雨が降り出した。
玄関のチャイムを押すと、中から「はーい!」って声が聞こえて、玄関が開いた。
「神崎穗乃香さんね」
先生が笑顔でそう言った。
「はい、そうです。こんにちは」
「こんにちは。よく来たわね。さっ、どうぞ」
「はい」
先生がスリッパを出してくれた。
靴を脱いでスリッパを履いて、先生の後に付いて教室の中に入った。
「皆が揃ってから紹介するわね。ここに座ってて」
「はい」
私は先生が出してくれた椅子に座った。



