「お待たせ」
私はリビングのドアから顔を覗かせた。
咲哉さんの反応にドキドキしていた。
メイクした顔も、お下げ髪以外の髪も、咲哉さんに見せるのは初めてだから……。
「用意、出来た?」
咲哉さんは私を見ないでそう言った。
「うん。廊下で待ってるね」
「わかった」
私はドキドキしながら、廊下の壁に寄り掛かって、咲哉さんが出てくるのを待っていた。
「あっ……」
咲哉さんの声が聞こえた。
私は咲哉さんの方を見た。
驚いた顔をしてる咲哉さん。
「どう……かな?」
「可愛いよ。大人っぽい感じで……何かいつもと違うからビックリしちゃって……」
「良かった」
私はニコッと微笑んだ。
咲哉さんに"大人っぽい"と言われて嬉しかった。



