「穂乃ちゃん」
リビングのドアの方から咲哉さんの声がした。
「あっ、咲哉さん」
私は笑顔を見せた。
咲哉さんが私の隣に座った。
「穂乃ちゃん、これ……。俺からのクリスマスプレゼント」
そう言って、咲哉さんはテーブルの上に部屋の鍵を出した。
「えっ?えっ?」
私は咲哉さんと鍵を交互に見る。
「咲哉さん……」
これって……もしかして……。
「ここに入居した時に、不動産屋から2つ鍵をもらったんだけど、2つも必要ないから、1つ穂乃ちゃんにあげる」
「いいの?」
私がもらってもいいの?
「うん。俺がいない時でも勝手に入っていいから。ここを好きに使っていいから」
「ありがとう……」
嬉しい。
私の目から思わず涙がこぼれ落ちた。
「泣かないでよ……」
咲哉さんはそう言うと、私をギュッと抱きしめてくれた。



