「咲哉さん……。もっと……キスして?もっと……ギュって強く抱きしめて……。私も……咲哉さんが好き……」
もう、ココロが壊れないように……私を強く抱きしめて……。
暗い箱の中に戻るのは嫌だよ……。
咲哉さんが私の瞳をじっと見つめる。
「ゴメン……なさい……」
私は咲哉さんから視線を逸らした。
「どうして謝るの?」
「ついこの前、彼氏にフラれたって泣いてたのにね……。でもね……あの雨の日から……抱きしめられた時から……咲哉さんのことが好きになってたのかもしれない……。都合良すぎるよね」
私はクスッと笑った。
咲哉さんは、ソファーに横たわる私を再びギュッと強く抱きしめた。



