次の日――。
ホテルを出た時には陽が高く、澄みきった青空が目に飛び込んできた。
昨日、降った雪は積もることなく溶けて道路を濡らしていた。
「穂乃ちゃん?」
咲哉さんに声をかけられ、視線を窓の外から咲哉に向けた。
「お家の人、心配してるんじゃない?連絡したら?」
「…………」
私は何も言えなかった……。
「い、いい……」
私は、首を左右に振った。
「どうして?前に親が心配性だって言ってたよね?」
「…………」
私は俯いて、ミニスカートの裾をギュッと握りしめた。
帰りたくない……。
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