咲哉さんとの会話はなく、雪をかきわけるワイパーの音と、車内に流れる音楽だけが耳に届いた。
国道を走る車。
私は流れる景色を見ていた。
咲哉さんの車は、国道沿いにある1軒のホテルに入った。
えっ?
ここって……。
車を駐車場に止める。
「咲哉……さん?」
私は咲哉さんの方を向いた。
でも咲哉さんは私と目を合わすことなく「入ろ?」と言って、車のエンジンを止めて車を降りた。
私も車を降りる。
咲哉さんの手が私の手をギュッと強く握った。
体が"ビクン"と小さく跳ねた。
真っ直ぐ前を向いたままの咲哉さんの顔をチラッと見た。
咲哉さんの真意がわからない。
ホテルに来るのは初めてじゃないのに、私の胸はドキドキと高鳴っていた。



