柴本がホテル街に向かって歩いて行くのがわかった。



「ねぇ?私、お腹すいちゃった。先に何か食べない?」



一緒にいてくれるのが、柴本でもいいと思っていた。


でも、外はまだ明るい。


こんな明るい時間から柴本とホテルで過ごすのは、やっぱり抵抗がある。



「じゃー、何か食べよっか?」


「うん」


「何がいい?」


「何でも……」


「わかった」



そう言って、柴本は1軒のカフェに入った。


1番奥の2人掛けの席に向かい合わせに座る。


私はサンドイッチとミルクティー、柴本はピザとコーヒーを注文した。