玄関を入ると、リビングから出て来た継母と鉢合わせした。


キッと睨みつける目。


"何で帰って来たの?"って顔をしてる。


私は目線を落としたまま継母の横を通り過ぎ、2階の部屋に行った。


鞄を机の上に置いて、制服から私服に着替えた。


携帯を持って、ベッドに寝転ぶ。


パパたちは、たぶんレストランへ食事に行くんだろうな……。


その中に私は入っていない。


携帯を開ける。


その時、柴本からのメールを受信した。



【今日はどう?】



それだけ書いてあるメール。


今日は金額を書いてない。



【いいよ。○○駅前で待ってる】



そう書いて送信した。


家にいたくない。


柴本でも一緒にいてくれるなら……。


私は、小さなボストンバッグに荷物を詰めて、コートを着ると、部屋を出た。