「阿川さんって…学校の先生になればいいのに…。優しくてカッコイイから女子にモテますよ」
私はそう言うと紅茶を一口飲んだ。
私の学校に、こんな先生がいたらモテること間違いなしだと思う。
「……ぷっ…アハハ…」
阿川さんは、飲みかけの紅茶を思わず吹きそうになった。
「えっ…私、何かおかしいこと言いました?」
阿川さんは何で笑ったのかわからなかった。
「穂乃ちゃんは、俺を何歳だと思ってる?」
何歳って……。
「えっ?大学生かなぁって…。だから21とか22とか…」
「ありがとう。でも実際は穂乃ちゃんと今日でちょうど10歳違いになったよ」
えっ?
「……ってことは………えぇ!阿川さんって28歳?」
嘘でしょ?
「うん。いつもスーツ着た大学生なんていないでしょ~」
「就活してんのかなぁ…って…」
私は恥ずかしさをごまかすために"アハハ"と笑った。
そっか……。
阿川さんって、大学生じゃなかったんだ……。



