「散らかってるけど、どうぞ」


「お邪魔します……」



私は靴を脱ぐと、靴を揃えて上がった。



「あ……靴下……」



私は濡れた靴下に目線を落として言った。



「いいよ、そのままで」


「すいません…」


「謝らないでいいから。別に豪邸ってわけでもないしさ」



阿川さんの言ったことがおかしくて少し笑えてきた。


リビングに入って、阿川さんはファンヒーターのスイッチを入れた。



「お風呂、入れて来るから…適当に座ってて」



阿川さんはそう言って、リビングを出てた。