青木先生に付き添われた私は、ゆっくりと咲哉さんの傍に歩いて行く。


咲哉さんの顔が涙で歪む。


咲哉さんの隣に立つ私。



「綺麗だよ……」



咲哉さんはそう小さく呟いた。


私は顔を上げて、咲哉さんを見てニッコリ微笑んだ。


目に溜まっていた涙が一気に流れ出した。


咲哉さんの目にもうっすらと涙が溜まっている。


結婚式は教会や式場でするのとは違って簡単なものだった。


青木先生が式を進めてくれた。


指輪の交換が終わった後、周りからは「キス、キス」と声が上がった。


咲哉さんと私は向かい合い、咲哉さんがベールをそっと上げた。


咲哉さんは私の唇に軽くキスをした。


それと同時にホールには拍手と歓声が上がった。