注文したコース料理が次々に運ばれてくる。


前菜からデザートはどれも美味しかった。


フランス料理なんて食べたは初めてだった。



「美味しかった」



私はニッコリ微笑んで、そう言った。



「良かった」



咲哉さんもニッコリ微笑む。



「咲哉さん、ありがとう」


「いいえ、どういたしまして」


「私、凄く幸せだな……」



私はそう呟くと、食後の紅茶を一口飲んで、窓の外を見た。


凄く凄く幸せ。


怖いくらい幸せだよ。



「俺も……」



咲哉さんがそう言う。


私は咲哉さんの方を見た。



「俺も幸せだよ」



ニッコリ微笑み、そう言う咲哉さん。


お互い微笑み合った。