「咲哉さん……食事するとこって……ここ?」
咲哉さんが連れて来てくれたレストランの前で、私は立ち止まってそう言った。
ホテルの最上階にあるレストラン。
大人の雰囲気が漂うレストラン。
こんな高級なとことは……。
咲哉さんはスーツだけど、私は普段着だし……。
「うん。そうだよ」
「こんな高級なとこじゃなくても良かったのに……」
「今日は穂乃ちゃんのお祝いなんだから遠慮しなくていいんだよ。入ろ?」
咲哉さんは私の頭をポンポンとした。
そして私の手を引いて、レストランの中に入った。
名前を言って、席に案内してもらった。
予約してたんだ……。
「夜景が凄く綺麗だね~」
窓際の席に向かい合わせに座る。
私は窓の外を眺めながらそう言った。
「綺麗だな」
「うん。凄く綺麗……」
私は咲哉さんの方を向いてニッコリ微笑んだ。



