「穂乃ちゃん、こっちに来て?」



咲哉さんはソファーの空いてるとこをポンポンとした。


私は咲哉さんの隣に座る。



「穂乃ちゃん、こっち向いて?」


「うん……」



私は体を咲哉さんの方に向けた。


咲哉さんは、私の体をギュッと抱きしめた。


突然のことでビックリしたと同時に、胸が"ドキン"と強く鳴った。



「卒業、おめでとう」



そう、私の耳元で囁く咲哉さん。


そして、咲哉さんは私の体をそっと離す。



「ありがとう」



私はそう言って下を向いた。


いきなり抱きしめられたことが凄く恥ずかしかった。



「顔、上げて?」



咲哉さんは私の顔を覗き込むようにして言った。


ゆっくり顔を上げる私。


私が顔を上げた時、咲哉さんの顔が近づいて、私の唇に咲哉さんの唇が重なった。