咲哉さんの話を聞いて、目からポロポロと涙がこぼれてきた。
「私……捨てられちゃったんだね……」
そう言って、泣き笑いの顔をする私。
わかってた。
あの家に私の居場所がないことくらい。
私を邪魔に思ってることくらい。
でも、やっぱり現実を突き付けられると悲しかった。
「泣かないで……」
咲哉さんは私の頬に指で触れて、涙を拭ってくれた。
「穂乃ちゃんには俺がついてるから……。だから何も心配しないで……」
そう言って、私の体を優しく包んでくれた。
「咲哉さん?」
「ん?」
「ありがとう。全て話してくれて、ありがとう……」
「ううん」
咲哉さんは笑顔で私を見た。
でも救われたこともあった。
最後にパパが咲哉さんに私の事を頼むと頭を下げてくれたことに……。
「咲哉さん?」
「ん?」
「ひとつだけ……お願いがあるの……」
「何?」
「もう嘘つかないでね……」
「わかった。もう嘘つかない。隠し事もしない。約束……」
咲哉さんは小指を差し出した。
咲哉さんの小指に、私は自分の小指を絡める。
約束だよ……。



