「…………出て行こうと思ってる……」



私の言ったことに目を見開き、私を見る咲哉さん。



「咲哉さん……今まで……」


「嫌だ!」



咲哉さんは私の言葉を遮って、そう叫んだ。



「何で?どうして?なぁ……何でだよ……」



咲哉さんは座っていたソファーから立ち上がり、私の両肩を掴んだ。



「…………ゴメン……なさい……」



私は目を逸らして、そう呟いた。



「何で……俺のこと……嫌い?」



私は無言で首を左右に振った。

嫌いじゃない。


咲哉さんのことは大好きだよ。


愛してるよ。



「じゃー……何で……」



でもね……。



「もう……これ以上、私のことで咲哉さんを……苦しめたくないの……迷惑かけたくないの……」



私は大粒の涙をポロポロ流しながらそう言った。


好きだから……愛してるから……だから咲哉さんに迷惑かけたくないの……。