朝食も出来上がった頃、時計に目をやる。
咲哉さんを起こして来なくちゃ。
温めていたお味噌汁のガスを止め時、咲哉さんがリビングに入って来た。
「おはよ」
「あっ、おはよう」
私は咲哉さんの方を見てニッコリ微笑む。
「すっげー、美味しそうな匂いがする」
「あ、朝ご飯を……。冷蔵庫の食材を勝手に使っちゃったんだけど……良かった?」
上目遣いで咲哉さんを見る。
「うん。好きに使っていいよ」
「良かった」
私は笑顔でそう言った。
「もうすぐ出来るから待っててね」
「あぁ」
咲哉さんはそう返事をすると、私の傍に来て、いきなり後ろからギュッと抱きしめてきた。



