車は町を抜けて、のどかな田舎町の道を走る。
周りは田んぼしか見えない道。
「ずいぶん遠くに来たね」
私は窓の外に広がる田んぼを見ながらそう言った。
「そうだな。でもあと少しで着くからな」
「うん」
咲哉さんの運転する車は、田んぼしか見えない道から山道に入った。
綺麗に舗装された道路。
でも車は咲哉さんの車以外は走っていない。
山道をどんどん上がって行き、さっき通ってきた町が小さく見える。
どこ行くんだろう……。
そんなことを思ってると、咲哉さんの車が止まった。
綺麗に舗装された駐車場。
その駐車場の奥は墓地になっていた。



