「咲哉さんでしょ?」
「えっ?」
咲哉さんの目が更に泳ぐ。
「咲哉さんが置いたんでしょ?」
「俺?置いてないよ」
「うそだぁ~!」
「ホントだって~」
咲哉さんは笑いを堪えてるように見えた。
「あっ!もしかしたら……サンタさんかもよ?」
はい?
サンタ……さん?
高校生の私に向かってサンタさん?
「…………なわけないじゃん。騙されないからね」
私はホッペを膨らませて笑いながら咲哉さんを見た。
「ホントだって!だって俺、昨日見たもん。サンタさんが寝室に入って行ったとこ。あっ!どうもって挨拶したし」
「もぉ~!嘘ばっかり~!」
そんな嘘、今時信じる高校生なんていないよ?
私は咲哉さんの胸をポンポンと叩いた。
「穂乃ちゃん、可愛い~」
咲哉さんは笑いながら、私を捕まえて引き寄せた。



