「穂乃ちゃん?俺、言ったよね?俺が暗い箱から出してあげるって。俺が穂乃ちゃんの光になるって。俺が穂乃ちゃんの居場所になるって」
「咲哉さん……」
私は顔を上げた。
泣きながら咲哉さんを見た。
「穂乃ちゃんのことは……俺が守るから……。お金なんかいらない……だから……」
咲哉……さん……。
「俺の傍にいればいいよ……」
「えっ?」
私は小さく呟いた。
ホント?
「…………てか……俺の傍にいて欲しい……。穂乃ちゃん?」
ホントにホント?
私、ここにいていいの?
咲哉さんは、私を更にギュッと強く抱きしめた。
そして――。
咲哉さんは、私の耳元でこう囁いたんだ……。



