あの失恋から約1ヶ月が経ち、蘭は晴れて高校一年生になった。

新しいクラス、新しい校舎……そして幸いなことに近藤やら佐藤やらといった標準的な名字がいないかったために蘭(剣ヶ峰)と涼(朱牡丹)は前後の席になった。

そして、蘭は涼と話すことが増え、苗字から名前で呼び合うように。

「……蘭!!」

涼から名前を呼ばれる幸せに浸っていると、涼から馬鹿呼ばわりされて一気に現実に戻される。

「話しを聞け!! この馬鹿!」

「ふえっ!? ごめん何?」

「全く……」

呆れたと言わんばかりに溜め息を吐く涼に恐る恐る聞き返す。

「は、話しって何だっけ?」

「だからね、一緒に生徒会入らないかって」