「……狭い」

ベッドから見上げる、窓に遮られた空。

快晴に近い晴れ。

風が無いからか、見える雲はなかなか形を変えない。

空を飛ぶ鳥。

自由に羽を広げる鳥は、行くあてなんか何処にもない。ただ、自由に。

そっと手を伸ばす。

冬と違い、濃い青さが目を見張る。低い低い空。

……手は届かない。

このビルの最上階でさえ、空には届かない。

手を伸ばす。

しかし、その手は外にさえ出ていない。

憎らしげに、怒りを込めて舌打ちをする。

「……狭い」